2013年2月4日月曜日

車検後の復活作業 Vol. 2 純正CVキャブの燃調について

車検後のスポーツスター復活作業の第二段はCVキャブレターの燃調についてです。



前回のVol. 1では、北米仕様のバロニーカットへの交換とその方法についての書きました。今回はマフラー交換にともなうキャブレターの燃料調整(燃調)についてです(前回のエピソードはこちら)

バイクの仕様について:

車体:Harley-Davidson XL883 Sportster
年式:2006年
キャブレター:純正CVキャブレター (ケイヒンCV) 
※45 Degree社にてFull Tune (Pepper) 純正派の加工(詳細エピソードはこちら)
マフラー:北米仕様純正バロニーカット (HD Parts # 80399-04)
エアクリーナー:S&S ティアードロップタイプ (ブローバイ還元式)

燃調をする際に必要な道具:

1) 普通のプラスドライバーと細めのマイナスドライバー
2) メインジェット(MJ) とスロージェット(SJ) の番手を複数 
※私はMJ 160~175, SJ 42~52をセットで45デグリーで購入しました

有ると便利なのは、ペット用のトイレシート。なんに使うかといいますと、キャブレターのジェットを交換するには、キャブレターの下部のカバーを外す必要があるのですが、その際そのカバーの中に残ったガソリンが溜まっています。これをトイレシートにぶちまけて、ビニールに入れてポイです。ガソリンとかって処理にこまるんですよね。そのまま流すのは環境に悪いし。ペットボトルとかに入れててもその後の処理に困るし。なので愛犬ノロのシートを拝借してます。

ジェットの番手について:

① ノーマル・工場出荷時の仕様
マフラー: 純正マフラー(日本仕様)
キャブ: 純正CVキャブ
エアクリーナー: 純正エアクリーナーの場合

SJ: #42
MJ: #160
ミクスチャー: 1.5回転
燃費: 高速25km/l 前後 // 市内20~22km/l

感想:純正仕様だけあって、どの天候にも普通の走り。冬はエンジンの暖気に時間がかかり、本調子になるまで20-30分かかりました。走り出せる状態になるまでも時間がかかりますし、本調子になるまではパスンパスンとキャブはくしゃみをします。特に不満のあるレベルではないと思いますが、チューンアップした状態を経験すると、やはり純正仕様に戻すと満足行かなくなります。特に同排気量かそれ以上の他のバイクからこの状態のスポーツスターに乗り換えたら、走り出しのモタツキや高速走行時の加速の遅さ、シフトダウンしないと上らない坂道走行などパワー不足を感じることと思います。余談ですが知人のXL883N (アイアン)のインジェクション車に乗せてもらった際は、パワー不足感は多少ありましたが、ノーマルのキャブ車より速い印象を受けました。インジェクションによってアクセルワークが制御されてエンジンがスムーズに回るからでしょうかね。シフトの感触もよりカチカチとしっかりとギアが入る感じで良かったです。


② 現在の仕様
マフラー: 北米仕様純正バロニーカット
キャブ: 純正CVキャブ + 45Degree社によるFull Tune加工
エアクリーナー: S&S Teardrop 

SJ: # 50
MJ: #160
ミクスチャー: 1.5回転

燃費: TBA 計測中 

感想: 車検前はSJを48番(ミクスチャー2回転ちょっと)にしていましたが、冬季エンジン始動後にキャブが急なアクセルワークの際にパスンパスンとくしゃみをする回数が多くなったので50番にしてみました。結果、暖気する時間がかなり短くなり、エンジン始動後だいたい1~2分程度で走行可能な状態になりました(テストした日が10度を超える暖かい日であったこともありますが)。また、アイドリングのエンジンの鼓動も強くなったと思います。暖気後、テストランで一般道と首都高を走行してみましたが、低速~中速~高速と滑らかに加速し、以前より走り・鼓動感・アクセルワークも改善されて、今までの中ではベストコンディションになったと思います。燃費計測をするほどは走ってないのですが、今月のツーリング時にチェックしてみます。参考までに、SJを#48にしていたころ、高速は大体25km/lとノーマルと変わらず。ただし、80~100km/h の高速法廷速度の場合は28km/l前後まで伸びます。(仮に)法廷速度以上の場合(例えば120km/l以上)の燃費は17km/l 以下と著しく燃費低下します(と「風」のウワサできいています。。汗) 市内は17~20km/l前後です。

③ 過去の仕様 (参考までに)

マフラー: スクリーミン・イーグル ストリートパーフォーマンス・スラッシュダウン
キャブ: 純正CVキャブ + 45Degree社によるFull Tune加工
エアクリーナー: S&S Teardrop 

SJ: # 50
MJ: #170
ミクスチャー: 1-3/4回転
燃費: 高速17~28km/l (平均して25km/l は出てました) // 市内 18~20km/l 前後


感想:これは、以前装着していたマフラーで燃調した時の数値です。現在の北米純正よりもパワーは有りました。峠の上りとかでやっぱり差がでる印象です。高速走行などはあまり変化が無かった様に思えます。現在の北米純正に比べると、個人的印象ですが少しですが荒々しい加速って感じです。北米純正(プラス、キャブ調整)の方がスルスルとスムーズに加速する感じ。爆音では無いですが、最近長距離ツーリングでこの音量でも疲れを感じ、またキャンプツーリングに行く機会も増えたので(早朝にキャンプ場でエンジンかけるのに気を使うため)、それほどノーマルと音量は変わらない北米仕様にしました。以前SEIIとかモータステージのブラスマフラーも手を出しましたが、さすがにこのあたりになると近所や出先で煙たがられます。。。個人的には好きな音なんですけどね。


ジェットを選ぶ基準ですが、あくまで個人的な意見ですが少し濃いと思われる番手から始めて、濃すぎたら番手を下げていく(薄くする)という方法が良いかと。濃すぎるとアイドリングでアクセル回せば「ゴボゴボ」と回転数が上がらなくなるのですぐにわかりますし、ちょうど良い番手を見つけやすいかと思います。上の例を調整の「基準値」の参考にしてみて下さい。


燃料調整というよりは燃料挑戦!って作業ですね、、はまると。


以下、作業工程です:

※意味があるかどうか分かりませんが、作業前にエンジンのガソリンコックをOffにしてエンジンをかけてホース内とかキャブレター内のガソリンを燃やします。

1) エアクリーナーのカバーとフィルターを外す
※そのまま取り外さず作業できるかとは思いますが、無い方が作業しやすそうなので。

プラスのネジ3本外すだけの簡単な作業です。

ジェット交換だけならば全部ばらさずキャブもエンジンに取り付けたままで作業可能です!!

なんとも楽チンなスポ。

2) キャブレターの下のカバー(フロート室)を外す
これはキャブレター下からの写真です。四角いフロート室の四隅にプラスネジで取り付けされています。キャブレターを装着したまま作業する際は、柄の長いドライバーが入らない箇所なので小さめのドライバーでの作業となります。
ちなみに、上の写真の下の方にある丸い穴(ちょっと筒状)がミクスチャーです。ここから細いマイナスドリアバーを差し込んで調整します。
取れるとこんな感じです。ガソリンがフローと室に溜まっています。それをペットのトイレシートなどに吸わせて処理すると便利です。
3) ジェットを交換します

カバーを取ると、下の写真の用になっています。真ん中の出っ張っているネジがメインジェット。直ぐ隣その左隣にある穴がスロージェットです。いずれも舐めやすいそうなので慎重にネジを回しましょう(緩める=反時計回り)


4) ジェットを装着

好みの番手を入れ替えます。今回、メインジェットは#160で変わらずなので、スロージェットを#42から#50への変更のみです。見た目ほとんど変わりませんが、この微妙な違いで乗り味が雲泥の差になると考えると不思議ですね。


あわせてミクスチャーを1.5回転くらいにしておきます。
一度閉めて(反時計回り)から、1回点半。その際、下のような細いマイナスドライバーを利用します。回転数が分かりやすいように印をつけておくと便利。私はドライバーに修正液で白いラインを付けてます。

5) キャブを組み立てる(元に戻す) 

上の取り外し作業過程の逆ですな。

6) とりあえずエンジンかけてアイドリングで様子見る

この瞬間が一番ドキドキしますね。とりあえずエンリッチナー(チョーク)を引っ張りエンジンをかけて、様子を見てみます。ノーマルの場合、エンリッチナーを引っ張ったまま有る程度暖気を行いますが、スロージェットが濃いセッティングにしている場合はエンジンがかぶってしまわないように、始動と同時に半分くらい戻します。それで、アクセルをゆっくり回して回転数が付いて来る様であればエンリッチナーを元に戻して必要に応じて暖気します。ノーマルのSJ #42に比べたら笑っちゃうくらい始動性が良くなるはずです。

私のも今回はSJを#50としているのでエンジン始動は良く、指導後エンリッチナーを直ぐに戻してもエンストはしませんでした。#48の時もまあまあ直ぐに発進できる状態になりましたが、#50の方がもちろん早く、またパスンパスンとキャブのクシャミは無し。


7) とりあえず乗ってみる


エンジンも温まってアクセルに回転数も付いて来る様なら早速試乗です。近所のガソリンスタンドで給油して、そのまま山手通りの西池袋ICから首都高に乗り初台近くまでエンジン全開にして走ってみました。初台からは軽い渋滞の中市街地を抜けて待ち乗り走行で帰宅。


ミクスチャースクリュー (パイロットスクリュー)の調整もします。直ぐに確認するとエンジンが熱いので、有る程度冷めてからしています。アイドルを少し高めにしてミクスチャーを左回しして回転が一番高くなった所がベスト。今回は最初に設定した1.5回転がそんな感じっぽい。


帰宅後エンジンが冷めてからプラグを抜いて焼き具合チェック。大した距離じゃないので(10Kくらい)そんなに色は付かないみたい。ただ、セッティングが大幅に合ってない場合はここが真っ黒になっていたので、もうちょっと走ってから再度確認してみるとします。







感想は先に書きましたが、このセッティングでとてもしっくり着ています。2月半ばには伊豆に河津桜を見に行く予定なので、その際に高速、峠、市街などの走り具合や燃費もチェックしてみます。

ということで復活作業完了!

私のような素人でもまだ自分でイジレる箇所が多いスポーツスター。やっぱり好きですね~。 あとは春を待つのみです。




※関連エピソード※

車検後の復活作業 Vol. 1 マフラー交換とその方法(北米・バロニーカット)

車検後の復活作業 Vol. 2 純正CVキャブの燃調について

スポーツスター:車検とか費用とかについてのあれこれ



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